hostsファイルの設定方法

この記事では、WordPressなどのサイト移行の動作確認で必要となるhosts設定について、その概要や設定の変更方法を解説します。

こんな時に必要!
  • ネームサーバーの変更前に、移行したサイトの動作確認をしたい
  • WordPress等のCMSを使っているため、サーバー会社の動作確認URLが使えない

hostsファイルとは

PCのシステム設定ファイルの一つで、ホスト名(ドメイン名)と対応するIPアドレスを自由に設定することができます。

  • IPアドレス…サーバーやPCに割り振られている識別番号で、インターネット上の住所のようなもの。
    • 例:「xxx.xxx.xxx.xxx」の形。「192.168.0.1」「8.8.8.8」など
  • ホスト名(ドメイン名)…サイトURL「https://」以降の部分。IPアドレスを覚えやすい文字列で表現するためのもの。
    • 例:ラッコサーバーのドメイン名は「rakkoserver.com」

移行先のサーバーIPアドレスと対応するドメイン名を設定する(自分のPCからサイトにアクセスした際、移行先のサーバーを表示するように設定を行う)ことで、ネームサーバーの変更を行う前に移行先サーバーでの動作確認を行うことができます。

注意
ドメインとIPアドレスの対応は、hosts設定を行ったPC上でのみ有効になります。動作確認が終わったら、変更を元に戻すのを忘れないようにしましょう。

hostsファイルに設定するIPアドレスの確認方法

対象サーバーアカウントの「サーバー情報」>「契約サーバー」>「IP」から確認が可能です。

契約サーバー情報の確認方法(サーバーIPアドレス/FTP情報/リソース情報など) 契約サーバー情報の確認方法(サーバーIPアドレス/FTP情報/リソース情報など)

Windowsでのhostsファイル設定方法

1. メモ帳を「管理者として実行」

①メニューバーから検索マークをクリック>②「メモ帳」と検索>③「管理者として実行」をクリックします。

「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示されるので、「はい」を選択します。

Windowsメニュー>Windowsアクセサリ>メモ帳を右クリックします。 「その他」メニューから「管理者として実行」をクリックします。

2. hostsファイルを開く

メモ帳のメニュー「ファイル」から「開く」を選択します。

ファイル名欄にC:\windows\system32\drivers\etc\hostsと入力し、「開く」をクリックします。

3. 中身を編集する

hostsファイルの一番下に、『IPアドレス+半角スペース+ドメイン』の形で設定を書き込みます。

具体例
ドメインが「example.com」で、移行先のサーバーIPアドレスが「123.456.789.000」の場合は下記のように書きます。「www.example.com」ドメインでもアクセスできるようにしたい場合、同様に記載します。

123.456.789.000 example.com

123.456.789.000 www.example.com

4. 上書き保存

編集が終わったら、上書き保存します。これでhosts設定の変更は完了です。

注意
移行先の動作確認が終わったら、必ず設定を元に戻すのを忘れないようにしましょう。

Macでのhostsファイル設定方法

1. ターミナル.appを開く

「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル.app」を開きます。

2. hostsファイルを開く

sudo vi /private/etc/hostsと入力し、Enterを押します。Password: と表示されたら、ユーザーアカウントのパスワードを入力>Enterを押します。

3. hostsファイルの編集

hostsファイルの編集画面(viエディタ)に移ったら、キーボードのIキーを押して入力モードに切り替えます(INSERTと表示されている間は入力モード)。

hostsファイルの最終行に「↓」キーを押して移動し、Enterキーを押して改行してから『IPアドレス+半角スペース+ドメイン』の形で設定を書き込みます。

MEMO
INSERTモードで「W10:Warning: Changing a readonly file」と警告が出る場合がありますが、これが出ていても編集・保存は可能です。
具体例
ドメインが「example.com」で、移行先のサーバーIPアドレスが「123.456.789.000」の場合は下記のように書きます。「www.example.com」ドメインでもアクセスできるようにしたい場合、同様に記載します。

123.456.789.000 example.com

123.456.789.000 www.example.com

4. 保存して終了する

編集が終わったら、Escキーを押して入力モードを終了させます。続けて「:wq」と入力してEnterを押すと、ファイルを保存し編集画面を終了することができます。 これでhostsファイルの変更は完了です。

注意
移行先の動作確認が終わったら、必ず設定を元に戻すのを忘れないようにしましょう。

hosts設定が反映されているか確認する方法

hosts設定の反映を確認する方法を2つ紹介します。設定が反映されない場合はブラウザのキャッシュを削除、PCの再起動などをお試しください。

ブラウザの開発者ツールで確認(Google Chrome/Microsoft Edge)

Google ChromeまたはMicrosoft Edgeを利用している場合、次の方法で確認が可能です。

STEP.1
サイトを開き、キーボードのF12キーを押す(または画面上で右クリックし、メニューから「検証」を選ぶ)
STEP.2
デベロッパーツールが開いたら、Networkタブを選択(画像内①)>一度ページを更新する>左側Name欄から、サイトのドメインを探してクリック(画像内②)
STEP.3
右側に表示されるGeneral内の「RemoteAddress」を確認(画像内③)。RemoteAddressに表示されているのは、このURLが参照しているサーバーのIPアドレスです(末尾の”:443″は無視してOK)。 これがhostsファイルに記入したものと同じであれば、設定が適用されています。

pingコマンドで確認

pingコマンドを使うと、PC上でドメインがどのサーバーを参照しているか確認することができます。

STEP.1
コマンドプロンプト/ターミナルを開く
Windowsの場合はコマンドプロンプト、Macの場合はターミナルを開きます。(例はWindows10を使用)
STEP.2
pingコマンドを使う
画面上で、「ping ドメイン名」と入力してエンターを押すと画像のように表示されます。「xxx.xx.xx.xxx からの応答」に表示されている数字は、ドメイン参照先サーバーのIPアドレスを示しています。これがhostsに設定したIPアドレスと同じであれば、設定が反映されています。